おからの基礎知識

 

おからは日本の食卓ではすっかりお馴染みの食材で、日本以外では中国、韓国などやはり東アジア地域特有の食材となっているようです。

 

おからは皆さんがご存知の通り、豆腐を製造する過程として大豆を絞った後に残った部分のことで、食物繊維を多く含んでおり、どちらかというと火を通して食べることが多くなっています。

 

もともと「おから」という言葉は絞りかすという意味で、茶殻の「がら」などと同意源の「から」に「御」を丁寧語としてつけたもので、白いことから縁起を担いで、卯の花(うのはな)などと主に関東と言い換えることもあります。

 

名前の通り、本来が廃物なので、値段はごく低価格で代表的な庶民的食材となっていますが、栄養的には大変優れています。乾物状態のおからでは、粗蛋白質が約26%、粗脂肪約13%、可溶無窒素物約33%、粗繊維約15%というように極めて栄養価が高く、通常では水分を75%~80%含む状態で流通されています。

 

粗脂肪とは油分のことですが、その約50%は最近注目度の高い不飽和脂肪酸のリノール酸です。更にはホスファチジルコリンも豊富に含まれており、これはレシチンと呼んだ方が耳馴染みがあると思いますが、脳の記憶力を高める成分です。

 

ちなみに記憶に関連した脳内物質としてアセチルコリンがあり、アセチルコリンを作るためにはコリンという物質が欠かせないのですが、その前駆物質がホスファチジルコリンということで、まさにおからは非常に優秀な栄養源なのです。